大阪空襲の追悼銘板改修 朝鮮人犠牲者が本名に ピースおおさか

太平洋戦争末期に約1万5000人が犠牲となった大阪空襲(1944年12月~45年8月)について、大阪国際平和センター(ピースおおさか)が死没者を追悼するモニュメントの銘板を改修し、12日に献花をした。2011年以来の改修で、新たに114人の名前を追加。「創氏改名」による日本名(通名)で記されていた朝鮮半島出身の男性一人の名前が初めて、民族名(本名)に改められた。
ピースおおさかによると、2021年9月の開館30周年にあわせ、死没者名簿の書き換えと中庭「刻(とき)の庭」にあるモニュメントの改修を進めていた。モニュメントに記載された名前は非公開希望の48人を除き、9089人。追加は訂正13人も含め、114人という。
民族名に改められたのは、1945年6月7日の第3次大空襲で死亡した韓国・済州島出身の金麗濬(キム・ヨジュン)さん(当時51歳)。これまでは「金谷富彦」と記されていた。献花した孫の金禎文(キム・ジョンムン)さん(82)=大阪市北区=は「本名で追悼されることになり、安堵(あんど)を覚える。朝鮮人に日本名を強制した『創氏改名』の歴史について、多くの人に知ってほしい」と語った。
「創氏改名」が一つの障壁となり、大阪空襲での朝鮮人の死没者数は分かっていない。市民グループ「大阪空襲75年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会」は約1200人と推定しており、同会の横山篤夫さん(80)は「日本による朝鮮支配の影響はいまだに続いている。平和のための施設であるピースおおさかはモニュメントを改修するだけにとどまらず、次世代に歴史を伝える努力をしてほしい」と話している。【高橋昌紀】