「添い寝して」週刊新潮、フジテレビ…女性記者に迫った“読売新聞エリート記者”の卑劣すきる手口

〈本紙記者が情報漏えい 週刊誌女性記者らに〉
8月27日付の読売新聞社会面に、社内不祥事の記事が掲載された。
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順風満帆のエリートコース
概要は、東京本社社会部の記者A氏(32)が、昨年夏から秋にかけて、検事総長秘書官のセクハラ疑惑や女子大学生殺害事件の取材情報を週刊誌女性記者に渡していたというもの。A記者は女性記者に、〈不適切な関係を迫っていた〉とある。読売新聞関係者が語る。
「Aは東京地検特捜部などを取材するP担(検察担当)。社長を務める山口寿一氏もかつて在籍した社内の花形部署です。神奈川の名門私立高から慶応大を経て入社。初任地の山形支局時代からP担希望でアピールを続け、念願叶って東京本社の社会部に引き上げられた。山形時代に地元の局アナと結婚し、順風満帆のエリートコースに乗っていました」
女性記者から「あいつ触ってくるんだけど!」
だが、その仕事ぶりは、
「P担への憧ればかりが強く、取材力がなかった。目立ったのはセクハラだけ。他社の記者との飲み会でも、女性記者からAの同僚に『あいつ触ってくるんだけど!』とクレームが寄せられたこともあった」(同前)
その被害は週刊誌にも。
「『週刊新潮』の20代女性記者Bさんが、昨年夏に張り込み現場でたまたま一緒になった。うまく協力し合えたことから、後日飲みに行こう!となったそうです」(Bさんの知人)
若手のBさんにとって、天下の読売のP担は貴重な人脈に映ったに違いない。
「飲みの席では『添い寝して』とセクハラ全開。別の寒い日には『あっためてあげる』と素面で抱きついてきたり、堂々とキスを迫ってきたりとエスカレート。Bさんは『ネタ元じゃなきゃ二度と会いたくない』と漏らしていました」(同前)
A記者による“情報漏えい”はなぜ発覚したのか
A記者はその“優越的地位”を維持するため、取材情報を次々とBさんに。その情報が、「週刊新潮」(昨年9月24日号)で、〈「検事総長」就任祝宴で「セクハラ事件」〉との記事になった。
「渡した取材メモは読売のP担の間で共有されているものでAが独力で調べたものではない。なかに1カ所事実関係の誤りがあり、それをそのまま載せていたことで、読売社内で、うちのメモに違いないと話題になった」(別の読売関係者)
だがA記者による情報漏えい発覚の契機は他にあった。別のテレビ局の女性記者への情報漏えいだ。
「フジテレビの司法記者クラブに配属されていた30代の女性記者Cさんです。彼女も既婚者でAとは2人で飲み会から消えることもあり、W不倫だと噂されていた。Cさんは記者経験がほぼないのに、桜を見る会などの捜査情報を読売と同着で取ってきて、おかしいとなり、昨年冬には読売とフジで調査が始まった。その過程でBさんの問題も出てきたのです。AはP担を外され、この春から『読売中高生新聞』に異動になっていた。Cさんは7月に退社しました」(同前)
読売が記事にした理由
だが1つ疑問が残る。春にA記者を異動させて終わらせたはずの騒動を、読売がなぜ今、記事にしたのか。
「実は、経済誌『ZAITEN』が8月中旬に読売に取材をかけた。読売は『調査中』とだけ回答し、雑誌の発売日(9月1日)の直前に、記事にしたのです」(「ZAITEN」関係者)
読売新聞グループ本社広報部に聞くと、こう答えた。
「(Cさんとの)不倫関係は本人が強く否定している。昨年冬の調査は社会部内の調査にとどまっており、本人が否定したことから十分に解明できず、会社として認識できていなかった。『ZAITEN』から取材を受け、初めて会社として知ることとなり、情報漏えいの一部が事実と判明した」
一方、「週刊新潮」編集部は概ね、こう答える。
「読売から事前に確認や取材を受けていないが、仮にこれが小誌記者だとすれば、誤読や誤解を招きかねない記述が(読売記事に)散見され、当方の認識と大きく食い違う。厳重に抗議します」
A記者には近く懲戒処分が下される方向だ。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月9日号)