岐阜県飛市の旧神岡鉱山で働き、じん肺になったのは会社側の粉じん対策が不十分だったためだとして、元従業員らが神岡鉱業(飛市)と親会社の三井金属鉱業(東京)に慰謝料など計約2億6000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。古久保正人裁判長は計9075万円を支払うよう会社側に命じた昨年3月の1審・岐阜地裁判決を変更し、新たに3人をじん肺と認め、計約1億2000万円の賠償を命じた。
原告は1964~2005年に神岡鉱山で坑内作業をし、国の認定制度でじん肺と認定を受けていた元従業員8人。14年の提訴後に3人が亡くなり、遺族が訴訟を引き継いでいる。
1審判決は「粉じんの発生・飛散防止についての対策を取るなど作業環境の管理義務を尽くしておらず、安全配慮義務を適切に果たしていなかった」などとして会社側の責任を認める一方、原告のじん肺認定は8人中3人にとどまり、原告、被告の双方が控訴していた。
控訴審判決は、会社側の安全配慮義務違反について1審の判断を維持。さらに1審が労災補償対象と判断しなかった根拠となったコンピューター断層撮影(CT)画像診断結果について「反証とはならない」などとして、じん肺と認定した。
判決後、名古屋市内で記者会見した河合良房弁護団長は「画期的判決と評価していい」と話した。三井金属鉱業は「判決の内容を精査し、今後の対応を決定したい」とコメントした。
神岡鉱山を巡っては、別の元従業員らによる「第1陣」訴訟があり、今回はその「第2陣」。第1陣は企業側に約3億7000万円の支払いを命じた名古屋高裁判決が17年に確定している。【森田采花、道永竜命】