政府が公開している都道府県別の新型コロナウイルスワクチンの接種率(医療従事者除く、13日時点)で、岩手県は64歳以下で2回目を終えている割合は全国最低の21・9%だった。盛岡市など人口の多い自治体で集団接種が進まなかったり、国からのワクチン供給量が減ったりしたことが要因とみられる。県内では職場や教育現場での感染が広がっており、若い世代への接種の遅れが懸念される。【安藤いく子】
政府が公開しているデータを基に、都道府県別の人口に対する接種率を分析した。64歳以下で2回接種率が最も高いのは山口の43・5%で、和歌山41・8%、熊本41・1%と続いた。一方、低い方は岩手に続き、栃木22・8%、北海道24・0%だった。
県の担当者は接種率低迷の要因は「複合的」としたうえで、集団接種の遅れやワクチン供給量減に加え、打ち手となる医療従事者の不足も挙げる。厚生労働省が集計した医師偏在指標で岩手は全国最下位で、医師不足にあえぐ。ただ、同じく最下位の新潟は64歳以下の2回接種率が32・2%(19位)と、健闘している。
人口約29万人と県内最大の盛岡市では、12~59歳への集団接種を18日に始める。医療機関での個別接種を含めて12日に予約を開始したが、予定の枠はその日のうちに全て埋まった。市の担当者は接種率が低い理由を「国からの供給量の低下」と説明する。
市によると、65歳以上が対象だった6月までは順調に供給があったが、7月に入り6月の半数程度まで落ち込んだ。当初は7月下旬に60~64歳と基礎疾患がある人への優先接種を始める予定だったが、お盆過ぎにずれ込んだ。8月下旬以降、7月の倍近く供給されることになり、59歳以下の接種も見通しがたったという。
ただ、医療関係者の中には初動の遅れが響いたと指摘する声もある。同市で高齢者の接種が4月に始まる前、市医師会は集団接種の実施を求めたが、市側は個別接種を主とする方針を変更できず、集団接種の態勢整備が遅れた。ある医療関係者は「ワクチン供給量がピークだった6月に接種をどんどん進められるはずだったが、その時点でまだ高齢者の接種を盛んにやっていた。スタートの遅れが64歳以下にも響き、歯がゆい思いだ」と語った。
盛岡市では接種を進めるため、12月5日までの土日に同市青山の民間ビル「SGプラザ」で1万8900人を対象に集団接種をするほか、医療機関でも個別接種と土日の集団接種を行う。
64歳以下のワクチン接種率(%)
1位 山口 43.5
2位 和歌山 41.8
3位 熊本 41.1
10位 山形 35.6
26位 秋田 30.6
28位 福島 30.1
35位 青森 28.5
37位 宮城 27.8
45位 北海道 24.0
46位 栃木 22.8
47位 岩手 21.9
※13日時点の政府のワクチン接種記録システム(VRS)のデータと厚生労働省のワクチン配分計画に記載の12~64歳人口を基に算出