東京・池袋で2019年、乗用車が暴走して2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三被告(90)を禁錮5年の実刑とした東京地裁判決が17日、確定した。弁護側、検察側双方が期限までに控訴しなかった。
飯塚元院長は15日、支援者と面会し「遺族に対して申し訳ない。判決を受け入れたい」と控訴しない意向を示していた。
事故で妻・真菜さん(当時31)と長女・莉子ちゃん(同3)を失った松永拓也さん(35)は判決確定を受けて会見し「長かった裁判が終わった安堵(あんど)の気持ち」と語りながらも「過失を認めた上での控訴断念なのか。飯塚氏からは言葉は聞けていません。残念です」と心境を吐露。「過失を受け入れるのは勇気が要ることかもしれませんが、刑務所に入るとなれば、過失を認めることが飯塚氏にとっての贖罪の始まりなのではないかと思います。人間として、他者を思いやる気持ちを取り戻す5年間にしてほしいです」
妻子への思いを述べる時は、目に涙をためて「これからは争う僕ではなく、2人の愛してくれた僕に戻って生きていきたいと思います」と語った。
判決が確定した元院長は車いすで生活し、自力で歩くことができなくなっている。検察は今後、年齢や体調などを考慮して刑務所に収容するかどうか検討する。刑事訴訟法は「著しく健康を害する時や生命を保てない恐れがある時」などの場合、刑の執行を停止できると規定している。