コロナ禍、音楽フェス岐路 対策徹底し千葉で開幕 市長「止める権限ない」

大規模音楽フェスティバル「スーパーソニック」が18日、千葉市のZOZOマリンスタジアムで開幕した。新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、千葉市が延期か入場客の上限を5千人以下にすることなどを要求していたが、主催者側は厳重な感染症対策を実施することで予定通り開催。市は後援を取り消したが、イベント中止の権限はなく市職員が会場内に常駐して見回りを実施した。感染症対策を怠った一部音楽フェスの影響で批判もあり、主催者側も自治体も難しい対応を迫られている。
「マスクは鼻まできちんと付けてください」「3列になって前の人との間隔を空けてください」。この日、会場前ではスタッフらが拡声器で感染症対策を呼びかけた。東京都の20代女性会社員は「ワクチンを2回打てたので来た。接種が間に合わなかったら諦めるつもりだったので来られてよかった」と話した。
入場時には、手指消毒と検温、手荷物検査を済ませた後、連絡先や体調などをフェス専用アプリの問診表に記入して送信。さらに、政府の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の使用を確認するなど厳重なチェックが行われていた。
会場では、立ち見予定だったアリーナ席に、観客が安全な距離を保てる座席を設置し酒類の販売も中止。場内を市職員ら数人が見回り、担当者は「おおむねルールを守っていただいている」と話した。
ライブを見た東京都の40代女性は「開始まで正直心配だったが、密集などはなく歓声代わりの拍手も徹底されており、こういうフェスなら安心してまた来たいと思った」と振り返った。
一方、千葉県では緊急事態宣言が発令中で、イベントの参加人数を「5千人以下かつ収容定員の50%以内」にするよう求めている。これに対し主催者側は「既に各日(18、19日)約1万3千人分のチケットが販売済みで5千人以下にすることはできない」としていた。
自治体の対応にも限界がある。千葉県の熊谷俊人知事は主催者の代表と県庁で面会し、来場者の直行直帰などの対策を改めて要請。後援を取り消した千葉市の神谷俊一市長は「市として止める権限はなく、主催者が実施する意向ならばやむをえない」としていた。