7月の東京都議選中に、無免許運転で当て逃げの人身事故を起こしたとして、警視庁は17日、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」を「除名」された木下富美子都議(54)を、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道路交通法違反(事故不申告など)の疑いで書類送検した。悪質な事案だけに、「逮捕してもおかしくはない」と語る法律家もいる。
捜査関係者によると、送検容疑は、免許停止期間中の7月2日、板橋区高島平の交差点で乗用車を後退させた際に停車中の車に衝突し、運転していた50代男性と同乗者の40代女性に軽傷を負わせ、そのまま逃走した疑い。5~6月に6回、都内で無免許運転を繰り返した疑いもある。
同庁は送検時に、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。木下氏は任意の事情聴取に対し、容疑を大筋で認めているという。
都議選で応援に入った小池氏は、17日の記者会見で「私自身は、そういった方を応援したのは恥ずべきことだと思う」「言語道断で、(都民に)範を示すべき人がその逆をずっと行く(=議員を続ける)のは、この世の中、厳しいの一点に尽きる」と語った。
木下氏は7月23日の都議会臨時会で議員辞職を勧告されたが、何の反応もなく、事故発覚後は都議会も含めて公の場に姿を見せていない。
このまま都議に居座れば、都民の税金から4年間で総額8000万円近い報酬を得ることになる。
それにしても、警視庁の対応は疑問だ。
昨年10月、俳優の伊藤健太郎さんが、乗用車を運転中にバイクと衝突事故を起こし、現場から立ち去った際は、警視庁は伊藤さんを逮捕している。この違いは何なのか。
日本テレビ系「行列のできる法律相談所」で知られる菊地幸夫弁護士は「非常に悪質な交通違反で、逮捕してもおかしくはない。ただ、被害者のけがの程度が重大ではなく、木下氏の身元がはっきりしており、書類送検にとどまったのだろう。相手が現職の都議であり、警視庁側が遠慮した可能性もある。これでは都民も腑に落ちないだろう」と語っている。
【東京都議の報酬】
月額 81万7600円
期末手当(2回分) 409万44円
政務活動費 月額50万円
年間総額 1990万1244円
4年総額 7960万4976円
(都議会事務局への取材から)