3歳児死亡「もう死ぬよ」と知人の通報受けた市『男が同居の認識なく聞き取り行わず』

交際相手の3歳の長男に熱湯をかけて殺害したとして男が逮捕された事件で、男は長男の体を押さえつけて数分間にわたり熱湯を浴びせ続けていた疑いがあることがわかりました。 9月24日に送検された松原拓海容疑者(23)。交際相手の長男・新村桜利斗ちゃん(当時3)に熱湯を浴びせるなどして殺害した疑いがもたれています。桜利斗ちゃんは上半身を中心に皮膚がただれ、警察は松原容疑者が数分程度、桜利斗ちゃんの体を押さえつけて動けない状態にして熱湯を浴びせ続けたとみています。 同じ保育園に子どもを通わせている保護者は次のように話しました。 (桜利斗ちゃんが通っていた保育所の保護者) 「保育園ではすごく楽しそうにしていたし、先生たちのことも大好きで、よく抱っこされていて、すごくショックです。彼氏が手を挙げたことがあると。一度聞いたことがあって桜利斗ちゃんを守れるのはお母さんしかいないよと伝えたことはありました」 母親の知人らは事件2か月前の今年6月に摂津市に『虐待の疑いがある』と相談していました。 (母親の知人) 「あざが何個もみられたりとか、『たっくん(松原容疑者)いや』って、最後は言い続けていたみたいなので。口癖でしたよ、『たっくんいや』『たっくんいや』って。(市に)虐待があるしこのままだったら、桜利斗ちゃんが死んじゃうと伝えました。『もう死ぬよ』と」 通報を受けて、摂津市は母親に聞き取り「問題ない」という回答を得たものの、『松原容疑者が同居している』という認識はなく聞き取りも行われませんでした。 大阪府内の虐待事案などに対応する府の児童相談所も市からの報告などから、緊急性は高くないと判断、一時保護や警察への情報共有はしていませんでした。 (児童相談所の担当者 9月24日) 「摂津市が確認をして支援も継続して対応しているので、摂津市の継続した支援をお願いしていた」 今回の行政の対応について、児童虐待に詳しい専門家は子どものけがの状況や母親への聞き取りだけで判断したことに問題があったと指摘します。 (児童虐待防止協会 津崎哲郎理事長) 「家庭の実態を間近で見ている人が危機感をもって、行政に訴えているということは重要な情報として捉えて対処する動きを求められていたのではないかなと。いったん保護した形で調整を図ろうかとそういう判断にならなければならない」 桜利斗ちゃんが必死で出していた「SOS」。摂津市と児童相談所は今後、対応について検証することにしています。