シカの保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」は、奈良市の奈良公園に生息する国天然記念物「奈良のシカ」が、昨年より181頭少ない1105頭だったと発表した。過去最多の1388頭を記録した2019年から2年連続で減少。子鹿の頭数は前年の3分の1以下となった。愛護会の担当者は「奈良公園のシカが1000頭を超えた1980年以降では記憶にないほど少ない」と話している。(土谷武嗣)
7月15、16日に愛護会のメンバーら延べ約50人が公園内を13コースに分かれ、目視して数えた。
雄は7頭減の217頭、雌は2頭減の806頭。子鹿は172頭減の82頭で、昨年から大幅に減少した。減少の理由は不明としているが、「調査当日は雨が降るなどの悪天候だったので、子鹿が雨宿りで隠れていた可能性はある」と推測している。
けがなどをしたシカの保護施設「
鹿苑
(ろくえん)」に収容しているシカは376頭(前年比8頭減)で、そのうち雄は195頭(26頭減)、雌は181頭(18頭増)だった。
昨年7月以降に死んだシカは前年度より39頭減の269頭だった。雄は46頭減の53頭、雌は30頭減の104頭と減少したが、子鹿は37頭増の112頭だった。
シカが巻き込まれた交通事故は118件発生し、前年度より10頭多い59頭が死んだ。地域別では、県庁東交差点~福智院交差点間の国道169号の40件が最多で、県庁東交差点~近鉄奈良駅前間の国道369号の24件、大仏殿交差点~高畑交差点間の公園道の19件と続いた。愛護会は「ドライバーに慎重な運転を心がけてもらうだけでも件数は減らすことができるはず」と注意を呼びかけている。