再審無罪「否定」書面の作成経緯は説明せず 謝罪の滋賀県警本部長

湖東記念病院(滋賀県東近江市)の入院患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(41)が国と滋賀県に国家賠償を求めた訴訟で、無罪判決を否定する書面を作成した県警の滝沢依子本部長は28日、県議会本会議で「表現に不十分な点があった」と謝罪した。一方で、書面作成の経緯や「不十分」とした点に関する具体的な説明はなかった。
一般質問に立った共産党の松本利寛県議は「再審判決を真摯(しんし)に検証し総括しなかったから、このような書面の作成に至ったのではないか」と迫ったが、滝沢本部長は「今後は改めて丁寧に主張してまいりたい」との答弁を繰り返した。西山さんへの直接の謝罪についても、「係争中のため、直接お会いするのではなく、こうしておわびを申し上げる旨を明らかにすることが適切と考える」と述べるにとどまった。
滝沢本部長は県議会後、報道陣の取材に応じ、「表現が不十分で関係者の心情を害した。心からおわび申し上げる」と改めて謝罪した。一方で、書面の具体的な修正箇所については明言を避けた。
書面は「被害者を心肺停止状態に陥らせたのは原告(西山さん)」などの記載が西山さんを犯人視していると指摘されたが、滝沢本部長は「それは違う」と否定。「再審公判で無罪が確定したことは、県警としても、私としても大変重く受け止めている」と話した。【諸隈美紗稀、菅健吾】