高齢の母親を背負って滋賀県東近江市の愛知川に飛び込み殺害したとして、殺人の罪に問われた三重県いなべ市、会社員太田高之被告(60)の裁判員裁判の判決公判が29日、大津地裁であり、大森直子裁判長は懲役6年(求刑懲役8年)を言い渡した。
判決で大森裁判長は「被告は、長年妻から、してもいない浮気を疑われ、仕事や被害者の介護によるストレスも重なり適応障害を発症して自殺を決意したが、被害者を残して死ねば周囲に迷惑がかかるなどと考え、道連れにしようと決意した」と指摘。さらに「ストレスの大部分は妻に起因し、介護疲れを動機とする事案とは異なり、独りよがりな考えに基づく短絡的な動機」と非難した。一方で、「多数の知人らからの嘆願書があり、社会復帰後は周囲に頼るなど更生の意欲を示している」とした。
判決によると、太田被告は昨年7月3日、滋賀県東近江市萱尾町の愛知川にかかる越渓橋で、実母のはるゑさん=当時(88)=をビニールひもで体に結び付けて背負い、川に飛び込み低体温症で死亡させ、殺害した。