横浜市は30日、JR関内駅前の旧庁舎の建物を、再開発を担う企業グループに約7700万円で売却する本契約を結ぶ。関係者への取材で分かった。林文子・前市長時代に売却価格を決めたが、一部の市議や市民から「安すぎる」などと批判され、改めて不動産鑑定業者に意見を求め、検証を進めていた。結果を踏まえ、山中竹春市長が価格は妥当と判断したという。
三井不動産を代表とする企業グループの事業計画では、旧庁舎の行政棟は保存活用してホテルと商業施設とする。議会棟は解体し、オフィスなどが入る高層ビルを新築するとしている。
市は、JR桜木町駅近くの新庁舎への移転決定後、旧庁舎跡地を「国際的な産学連携」「観光・集客」をテーマに再開発することを決め、2019年1月に事業者を公募。建物は、不動産鑑定業者2社が評価した後、市の財産評価審議会を経て、7667万5000円で売約すると決定した。土地は77年間の定期借地として貸し出すことにした。
しかし、旧庁舎は日本を代表する建築家・村野藤吾が設計し、1959年に完成した歴史的な建造物だ。2000年以降、行政棟と議会棟で計約60億円をかけて耐震補強工事をしたことなどもあり、一部の市議や市民の間で、売却価格を疑問視する意見が根強かった。
今月の市議会で、山中市長は「速やかに価格算定の妥当性を検証したい」と表明し、別の不動産鑑定業者2社に評価を依頼していた。複数の関係者によると、29日までに2社から意見書が出され、山中市長が本契約締結を適当と判断した。