29日の自民党総裁選で、衆院神奈川15区選出の河野太郎行政・規制改革相(58)は決選投票で岸田文雄・前政調会長(64)に大差で敗れた。地元支援者からは、早くも次に期待する声があがった。
河野氏の地元・神奈川県平塚市では平塚青年会議所(JC)のメンバーらがホテルに集まり、静かに見守った。決選投票で敗れたことがわかると、集まった約50人は無言で会場を後にした。小沢敦史理事長(39)は「残念な結果だが、河野先輩の日本を一歩前に進めたいという気持ちは国民にも地元にも届いたと思う」と話した。
河野氏とJC時代から交流がある片倉章博市議(58)は、河野氏が約20年前、「自分の政策を実現するために総理大臣になりたい」と話していたのを覚えている。今回の結果にも「総裁選を通じて年金問題などへの考え方を広く国民に知ってもらえたのは一歩前進。次の挑戦につながるのではないか」と期待した。
平塚商工会議所元会頭の福沢正人さん(79)は、車内のテレビで結果を見た。「世代交代が進むことに党のベテランからアレルギー反応があったのではないか。今の自民党の体制を打開できるとすれば、太郎しかいなかったのに」と漏らした。
茅ヶ崎市の後援会の初代会長で、名誉会長の伊藤留治さん(88)は「非常に残念。外相などを務めたので首相になったらすぐ活躍すると期待していた。しかし、候補者では最も若くいずれは総裁になると信じている。今回は良いきっかけになったのでは」と話した。茅ヶ崎商議所の亀井信幸会頭(62)も「これからも様々な立場で貢献し、次につなげてほしい」と話した。
水島誠司市議(44)は「地方票、国会議員票ともに伸びなかった」と肩を落とした。「意思が固く、はっきり意見を言う姿勢が国民人気につながっている。曲げずに、目標の総理大臣を目指してほしい」と話した。
河野氏の祖父、一郎氏と父、洋平氏の出身地・小田原市の小泉政治さん(84)は「総理は河野家の悲願だったが」とため息をついた。経営していた書店近くに洋平氏の事務所があったことから、河野氏の母親もよく利用していたという。「河野氏は年齢的にまだこれから。職責を果たして次のチャンスを待ってほしい」と話していた。
県連の土井隆典幹事長は、「(1回目の投票で)議員票が86票にとどまるとは思ってもいなかった」と驚き、「若手議員への締め付けもあったのかなと思う」と推測した。
ただ、複数の県連幹部は「河野氏より高市早苗・前総務相の方が選挙運動の熱量があった」と振り返る。一部県議には高市氏の著書が送られたり、地元支持者から高市氏を応援するよう求める電話が複数回あったりしたという。
自民党神奈川県連は29日、党員票の集計結果を発表した。投票権がある県内の党員・党友6万4509人のうち、4万4136人が郵送で投票し、有効票は4万3998票だった。
河野氏の得票は2万9092票と全体の66・12%を占めた。高市氏が6829票(全体の15・52%)と続き、岸田氏は6185票(同14・06%)、野田聖子氏は1892票(同4・3%)だった。
投票率は68・42%で、近年では小泉純一郎元首相が再選された2003年の71・17%に次ぐ高さ。土井幹事長は「候補者が4人出てメディアに取り上げられたので党員の関心も高かった」と受けとめつつ、「(河野氏に投票した)党員・党友の思いが実にならなかったのは少し残念」と話した。