公立小教諭の残業代認めず=「給与体系見直しを」―さいたま地裁

埼玉県内の公立小学校に勤務する男性教諭(62)が、違法な長時間労働をさせられたとして、県に未払いの残業代などを求めた訴訟の判決が1日、さいたま地裁であった。石垣陽介裁判長は「教員の職務は特殊で、一般労働者と同様の割増賃金制度はなじまない」と述べ、請求を退けた。
一方で、現行の公立校教員の給与体系について「もはや教育現場の実情に適合していない」と指摘。「見直しを早急に進め、勤務環境の改善が図られることを切に望む」と異例の付言をした。
1971年に制定された公立校教員の給与に関する特別法(給特法)は、学校行事など「超勤4項目」に該当する業務に限り、教員に対し時間外勤務を命じることができると規定。時間外勤務手当などを支給しない代わりに、給与額の4%を「教職調整額」として一律支給することとされた。
石垣裁判長は「勤務時間の内外を問わず、職務を包括的に評価した結果として教職調整額が支給されている」と指摘。4項目に該当しない業務に別途残業代を支払うべきだとする教諭側の主張を退けた。
その上で、通学路での見守り活動や職員会議など、一部について校長の職務命令があったと認め、「労働基準法が定める法定労働時間を超えて労働した」と認定。ただ、そうした残業は最大でも月15時間未満で、国賠法上の違法性は認められないと結論付けた。
原告の代理人弁護士は「画期的な判断部分はあるが、控訴する」と話した。
高田直芳・埼玉県教育長の話 県の主張が認められた。
[時事通信社]