和歌山、続く断水 災害時協力井戸23基を開放 水求め夜中も人

和歌山市の紀の川にかかる水管橋の崩落による市北部の断水は6日、発生から4日目に入った。疲労の色が濃くなる地域住民に手を差し伸べる動きも活発になっているが、高齢者など災害弱者にかかる負担は重くなっている。一方、休校していた小中学校などの7日からの部分的な再開が発表されるなど、仮復旧後を見据えた動きも出てきた。【橋本陵汰】
市南部の北休賀町にある銭湯・幸福湯。「常連さんは自主的に控えてくれているようで、初めて見るお客さんが多い」と店主の中村有香さんは話す。4日は営業時間を延長し、午前0時まで来訪した全員に風呂に入ってもらった。断水地域の遠方から来る客に、近所では駐車場を貸す動きもあるという。「人が多い場合は待ってもらうかもしれないが、できる限り一人一人を癒やせたらうれしい」
5日、断水地域から来たという和歌山大1年の竹浦昂大さん(18)は「最高でした。一人暮らしで湯船につかる機会がないのでゆっくりできた」と喜んでいた。
市は生活用水の不便さを緩和するため、断水時に無料で利用できる「災害時協力井戸」の場所をホームページで公開している。現在、断水エリアで23基の井戸を使用できる。井戸所有者に協力の許可を得ているが、水質検査などを義務づけているわけではなく、市は飲料としては用いないよう呼び掛ける。
同市大谷の「慶円寺」の井戸では水管橋が崩落した3日、夜中でも水をもらいに来る人が相次いだという。それ以降、夜中でも門を開けたり電気をつけたりし、便宜を図っている。住職の北條法聖(ほうせい)さんは「ポリタンクなどを持ってきて、いつでも使ってもらっても大丈夫」と話している。
また、市はこの日、市内16カ所で500ミリリットル~2リットルの飲料水ペットボトルの配布を始めた。企業などから寄贈されたものという。7日も配布を行う予定で、北、河西、河北のコミュニティセンターでは午前9時~午後8時、支所・連絡所では午前9時~午後5時。なくなり次第、配布は終了する。
工夫を重ね節水
断水が続く中、利用者の受け入れを決めたデイサービス施設では、工夫を重ねて、乗り切ろうとしている。同市粟の「ルミエール デイサービスセンター」では、入浴の代わりに、職員が電子レンジで温めた濡(ぬ)れタオルで利用者の体を拭き、洗髪は水不要のシャンプーでしのいでいる。食事もラップを敷いた紙皿や紙コップで洗い物を省いている。
貴重な備蓄水を使う場合は極力節約。トイレは使用済みのトイレットペーパーを専用のゴミ箱に捨ててから、最小限の水で流している。いつもと違う手順のため、職員が1対1で付き添って神経を使う場面が多く、施設の担当者は「これがまだ続くかと思うと……」と疲労をにじませていた。
同市善明寺の「ぽぽろ紀ノ川」は大阪などにある同じグループ施設の協力を得て水を確保したが、やはり入浴は断念し、トイレなどの生活用水に回すのが精いっぱいだ。不便さに加え、「非常事態」で利用者も不安になりがち。職員が相談にのるなど、ケアマネジャーと連携を取って対応している。また、独居の利用者もおり、安否確認などいつも以上に目配りしている。
学校授業再開へ
市教委はこの日、休校としていた断水地域の市立小中高校について、7日から午前中のみの登校やオンライン授業で再開することを発表した。小中学校は13日、高校は11日から通常授業に戻る予定だ。ただ、仮復旧工事の進展状況によって日程が変更になることもあるとしている。
小学校では7日は午前中のみの登校とし、児童はタブレットや自宅学習用のプリントを持ち帰る。8日はオンライン授業や自宅学習などで対応する。中学校は7、8日はオンライン授業とする。中高の部活動は9日からの再開を予定している。一方、幼稚園は8日まで引き続き休園とする。