大物ヤクザの片棒担いだ巨人軍OBの「ウラの顔」ミスターに才能見込まれ、75年ドラ2で入団

プロ野球巨人の「ドラ2」と大物ヤクザはズブズブの関係だった。

巨人の元選手、岡田忠雄容疑者(64)が特定抗争指定暴力団山口組の幹部で、2次団体「名神会」の会長、田堀寛容疑者(63)に名義を貸し、東京都江東区の高級タワーマンションを購入していたことが分かった。岡田容疑者は2016年1月、田堀容疑者が居住することを売り主に隠したまま、自身が経営する会社「グリーンランド」(東京都港区)の名義でマンションを購入。実際は田堀容疑者が資金を提供し、田堀容疑者本人が使用していた。2人は共謀して法務局に虚偽申請したとして、先月16日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで警視庁に逮捕された。

警視庁は6日、組織的な関与があるとして、捜査員40人態勢で山口組総本部(神戸市灘区)を家宅捜索した。2人は高校時代の同級生だった。

■篠塚、中畑、山本功児と同期入団

岐阜県出身の岡田容疑者は長嶋茂雄監督(当時)に才能を見込まれ、1975年、中京高から捕手としてドラフト2位で巨人に指名された。その年のドラフト1位は篠塚利夫、3位が中畑清、5位が山本功児といったそうそうたる顔ぶれだった。岡田容疑者は水原茂がつけていた背番号50を与えられ、「ポスト森」として将来を期待されたが、現役時代は一軍出場はなく、80年に引退。引退後は実業家として、飲食店などを経営していた。

「リトルリーグのチームの会長やNPO法人『日本スポーツトレーナー協会』の代表を務めていました。随分前から東京で野球教室を主催し、引退したプロ野球選手に声を掛け、指導を頼んでいた。本人も地方まで教えに行くなど、野球に関しては熱心でしたが、その一方、六本木界隈でグレーな仕事をしているという噂も聞いた。『あの人には気を付けた方がいいよ』とか、『昔はよく金でトラブっていた』『深く付き合わないほうがいい』など、あまり良く言う球OBはいなかった」(球界関係者)

一方の田堀容疑者は「直参」と呼ばれる「6代目山口組」の直系組長の一人で、高山清司若頭と近いとされる。

「田堀容疑者は過去に元妻の名義で車を虚偽登録したり、自分が使うことを隠して他人名義の銀行通帳を再発行させ、逮捕されています。4年前には山口組の中核組織『弘道会』の竹内照明会長らと共謀し、飲食店や風俗店からみかじめ料を徴収したとして、指名手配された。田堀容疑者がトップを務める名神会は弘道会と同じ名古屋市に拠点があり、弘道会と同格といわれる有力団体です」(捜査事情通)

巨人軍OBが犯罪に手を染めてまで大物ヤクザの片棒を担いだ見返りは何だったのか。