水管橋崩落、ほぼ全域で断水解消 和歌山市発表、飲用はまだ

和歌山市の六十谷(むそた)水管橋の一部が崩落して市北部の約6万世帯(約13万8000人)が断水していた問題で、市は10日、ほぼ全域で給水が再開されたと発表した。同日正午時点で、有功地区の高台の約1000戸と一部集合住宅でまだ断水が続いているが、順次解消されていく見込みという。市は9日午前8時半から6日ぶりに給水を順次再開していた。
市によると、再開が遅れている有功地区の高台は、途中の送水ポンプの中にたまった空気を抜く作業に時間がかかっていたが、すでに解決したという。
また、給水再開地域でも、一部で引き続き濁り水が発生。飲料水としての使用は、市が北部5カ所で行う水質検査で安全性が確認された後となる。市の担当者は「濁りは地区によって偏りがあるが、各所で発生している。濁りが消えたのを確認した後で水質検査をするので、全域で飲料として使用できる時期のめどは立っていない」と説明した。出水不足の地域もあり、飲料水での利用再開が完了するまで給水車の配備は継続する。
崩落は3日午後3時45分ごろに発生。水管橋は市北部に水を送る唯一のルートで、大規模な断水が起きた。市は並行する県道の橋に水道管を仮設し、復旧を目指してきた。【山口智】