立候補予定者、早朝から街頭へ…短期決戦が事実上スタート

衆院解散の14日、衆院選の立候補予定者たちは早朝から街に出て、通勤客らに自身の主張を訴えた。31日の投開票に向け、17日間の短期決戦が事実上スタート。東京・霞が関の中央省庁からは、国内が選挙一色となり、重要施策や新型コロナウイルス対策などが停滞することへの懸念の声も上がった。
「政権選択の選挙がいよいよ始まります」
東京19区から立候補を予定する自民党・松本洋平氏(48)は午前7時頃から、西東京市の西武鉄道田無駅前でマイクをにぎった。
マスク姿の松本氏は「コロナを克服し、安心安全の国を目指すため、日本社会、経済のモデルチェンジが必要だ」と主張。チラシを受け取った人に「頑張って」と声をかけられ、グータッチを交わす場面もあった。
同じ東京19区から立候補予定の立憲民主党・末松義規氏(64)も午前7時過ぎから、国分寺市のJR西国分寺駅前に立ち、「議員バッジを付けるのは今日が最後。当選したらまた、付けて参ります」と通勤客らに語りかけた。
松本氏とは7度目の対決となる。前回選では、小選挙区で敗れ、比例復活した。末松氏は「今回はもちろん、小選挙区での勝利を目指す」と意気込んだ。
閣僚経験者も気を引き締め、朝の街頭に出た。埼玉8区から7選を目指して立つ予定の元文部科学相で自民党の柴山昌彦氏(55)は、埼玉県所沢市の西武鉄道所沢駅前で午前6時半から、通勤・通学客らにチラシを配った。
演説を終えた柴山氏は「緊張してこの日の朝を迎えた。厳しい戦いになることは間違いない」と険しい表情。その後、国会へ電車で向かった。

東京・霞が関の省庁の官僚たちは、選挙戦を様々な思いで見守る。
環境省は、前政権下で2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標を打ち出すなど、気候変動政策の強化を看板の一つに据えてきた。幹部の一人は「計画を正に実行に移すタイミングでの選挙。結果を注視したい」と話す。
コロナ禍で痛手を受けている観光業や公共交通などへの支援、災害対策など、課題が山積する国土交通省。ある幹部は「一時は11月下旬の投開票日程も想定され、気をもんだ。年末の税制改正や予算編成に向けた作業などを考えると、少しでも早い日程での総選挙は余裕が生まれる」と話した。別の幹部は「やるべきことは山積み。政治が安定して、国民に必要な政策を着実に進められるようになるといい」と願った。
全国の新型コロナの新規感染者は、13日までの7日間連続で1000人を下回っている。コロナ対策の最前線に立つ厚生労働省の幹部は「コロナ禍では政治の空白は許されない。医療体制の

逼迫
(ひっぱく) も解消しつつある時期の解散で良かった」と胸をなで下ろす一方、昨年は秋から冬にかけて感染が拡大したことを警戒。「選挙でも感染防止対策が必要。オンラインの活用など、『新しい選挙』の形が生まれるかもしれない」と話した。
「コロナ支援、適切に」「国民に寄り添って」

コロナ禍で疲弊する街の人からは、論戦への注文が相次いだ。
全長1・3キロに約300店が軒を連ねる東京都品川区の戸越銀座商店街。14日も午前中から買い物客らが行き交ったが、新型コロナウイルス感染拡大で、各店舗は休業や営業時間の短縮など長期にわたって影響を受けている。同商店街連合会の遠藤利夫理事(54)は、休業や時短要請に応じた事業者に支給される協力金について「飲食など一部の業種に限られているため、受け取ることが出来ず不公平だと不満を持つ店主も多い」とし、「必要な支援が適切に届くよう、選挙で議論を深めてもらいたい」と語った。
商店街に買い物に訪れていた品川区の主婦(60)は、「最近の国会は与党と野党のののしりあいが目立ち、あまり関心が持てない」と話す。ただ、実父が入院した際、コロナの影響で面会が十分にできなかったといい、「多くの人が苦労している。私たちの生活が少しでも良くなるよう、国民の気持ちに寄り添った政治となるようになってほしい」と願った。