河井克行元議員「速やかに刑服す決断」 控訴取り下げ 懲役3年実刑

2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われて1審で実刑判決を受けた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)は21日、控訴を取り下げた。懲役3年、追徴金130万円とした東京地裁判決(21年6月)が確定した。公選法の規定で、服役中と刑期を終えてからの5年間、公民権が停止される。
克行元議員は弁護人を通じ、「できるだけ速やかに刑に服する決断をしました。全ての責任は私ただ一人にあります。多くの方々にご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。
弁護人によると、克行元議員は量刑を不当として控訴したが、その後の保釈請求が2回退けられ、社会復帰が遅れることを懸念するようになったという。この時期に控訴を取り下げた理由について、控訴理由を記した書面を東京高裁に提出する期限が22日に迫っていたことを挙げ、衆院選期間中の自民党への影響を考慮したのではないかとの見方は否定した。
事件では、現金を受け取ったとされる地方議員ら100人全員が不起訴となり、市民団体が不服として東京の検察審査会に審査を申し立てている。克行元議員はコメントで「私が全てをお引き受けする覚悟です。(現金を)受領された方々への寛大なご措置をお願い申し上げます」と要望した。
判決によると、克行元議員は19年3~8月、妻の案里元参院議員(48)=1審で有罪確定=を当選させる目的で、票のとりまとめなどを依頼する趣旨で広島県議や首長ら100人に総額約2870万円を配った。判決は「民主主義の根幹である選挙の公正を著しく害する極めて悪質な犯行」と批判した。
閣僚経験者の実刑判決が確定するのは、受託収賄罪などに問われ、10年9月に最高裁で懲役2年、追徴金1100万円の判決が確定した鈴木宗男参院議員(73)以来になるとみられる。【遠山和宏】