「本番の強さ」「魔性のピアノ」=教え子の成長喜ぶ恩師たち―ショパン・コンクール

ショパン国際ピアノコンクールで、それぞれ2位、4位に入賞した反田恭平さんと小林愛実さん。2人は幼なじみで、共に名門の桐朋学園女子高音楽科(男女共学)に通った。指導に当たった恩師たちは、当時を懐かしみつつ、教え子の成長ぶりを素直に喜んだ。
桐朋学園大名誉教授の川島伸達さんは、反田さんが中学1年の時、初めて演奏を聴いた。「難度の高いショパンの練習曲を、子どもとは思えないほどうまく弾いていた」。高校の3年間は、マンツーマンで指導。当時の反田さんは「ものすごく緊張する」とよく口にしていたそうで、今回のコンクールでも画面越しに緊張感が伝わってきた。
しかし演奏が始まると、すっかり頼もしさに包まれた。「体操の内村航平選手のように本番に強い。ミスをしてもめげず、立ち直りが早い」。ギリシャ神話の音楽の女神に例え、「だんだん尻上がりに良くなる。ミューズの神が降りてきたようだ」と話した。
一方、「個性的で優秀な生徒だった」と高校時代の小林さんを振り返るのは、音楽評論家でピアニストの下田幸二さん。授業で生徒にショパンの曲を弾かせ、下田さんが意見を述べる。「他の生徒は、はいはいと答えるが、小林さんは少し考えて『私、そう弾きませんでしたか』とけむに巻いていた」と笑う。
小林さんは2015年の前回ショパン・コンクール本選で入賞を逃した。毎回、現地のワルシャワで取材する下田さんは「前回の彼女の演奏は天真らんまんなところがあった。今回は緊張を集中力に変えていてシリアス」と指摘。「彼女ならではの魔性のピアノ」が遺憾なく発揮されたようだ。
[時事通信社]