社長ら、事故起きると思わなかったと無罪主張…軽井沢バス事故で初公判

2016年1月に起きた長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故で、業務上過失致死傷罪で在宅起訴されたバス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)の社長高橋美作被告(60)、運行管理者だった荒井強被告(53)の公判が21日、長野地裁(大野洋裁判長)で始まった。罪状認否で、両被告はともに起訴事実を否認。事故が起きるとは思わなかったとして、無罪を主張した。
実際にバスを運転し、当時の状況を最も知る男性運転手(当時65歳)は事故で死亡。公判では、両被告が事故を予見できたかどうかが大きな争点となる。
起訴状などでは、荒井被告は男性運転手から事故前月の採用面接時、「大型バスの運転に不安がある」と聞いていたのに技量を把握せず、高橋被告は荒井被告から報告を受けながら、適切な指導や監督を怠ったとされる。この結果、男性運転手が下り坂でブレーキをかけずに事故を起こし、乗客の大学生13人と交代要員の運転手1人を死亡させ、乗客26人に重軽傷を負わせたなどとしている。
バスは冬の夜間に長距離を走り、峠道なども通る。長野地検は、技量の不十分な運転手が運転すれば、死傷事故を起こす可能性があることを予見できたと判断。両被告の過失の「競合」によって事故が起きたとして、今年1月に在宅起訴した。
自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで書類送検された運転手については、容疑者死亡で不起訴とした。
◆長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故 =16年1月15日未明、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで発生。東京から長野県北部のスキー場へ向かう大型バスが下り坂を時速約96キロで走行し、カーブを曲がりきれず崖下に転落した。乗客乗員15人が死亡、乗客26人が重軽傷を負った。事故後の国の監査で、運行会社の法令違反が次々と明らかになり、貸し切りバス事業の安全対策の見直しにつながった。