神戸5人殺傷 検察側、被告に無期懲役を求刑 判決は11月

神戸市北区で2017年、家族や近隣住民ら3人を殺害、2人に重傷を負わせたとして殺人罪などに問われた無職、竹島叶実(かなみ)被告(30)の裁判員裁判が25日、神戸地裁(飯島健太郎裁判長)であった。検察側は「結果は極めて重大で取り返しがつかない」として無期懲役を求刑。弁護側は「心神喪失状態だった」として無罪を主張し、結審した。判決は11月4日。
竹島被告は事件当時、統合失調症の影響で幻聴を聞いていたとされ、刑事責任能力の有無が争点。
検察側は論告で、竹島被告が逮捕後、「大変なことをした」と警察官に話していた点などから、「犯行を思いとどまることができた」と指摘。責任能力が完全に失われていない心神耗弱にとどまると主張した。
一方、弁護側は竹島被告が「哲学的ゾンビを倒せば知人女性と結婚できる」と思い込み、殺傷した相手を「ゾンビと認識していた」と主張。鑑定した医師の意見を踏まえて「妄想に支配されていた」と述べた。
法廷では、死亡した辻やゑ子さん(当時79歳)の長男が意見陳述。「突然母がいなくなり、被告を憎んでいる。罪を軽くされたくない。強く強く死刑を願う」と訴えた。
竹島被告は現在、服薬で症状が改善しているとみられ、最終意見陳述では「被害者の方々には非常に申し訳ないことをした」と謝罪した。
起訴状などによると、竹島被告は17年7月16日早朝、自宅で祖父、南部達夫さん(当時83歳)と祖母観雪(みゆき)さん(同83歳)を金属バットで殴ったり、包丁で刺したりして殺害。止めに入った母親(57)を殴って重傷を負わせた。さらに、近くの民家に侵入して辻さんを刺殺。別の小屋にいた近隣女性(69)にも重傷を負わせたとされる。【巽賢司】