亡くなった大切な人へ 120通超の手紙「たき上げ供養」 京都・大聖寺

京都府舞鶴市北吸の大聖寺(松尾眞弘住職)で23日、亡くなった大切な人への手紙を承る「緑のポスト」に投函(とうかん)された手紙のたき上げ供養が初めて営まれた。参列した参拝者らは手を合わせながら手紙が故人に届くよう祈っていた。【行方一男】
ポストは約30年前、特定郵便局長をしていた檀家(だんか)から寄進され、本物と間違われないよう緑に塗り替えて境内に置き、さい銭箱として活用していた。数年前、亡くなった我が子につづった母親の手紙が投函されており、送り主の思いを込めて供養したのがきっかけとなった。その後も何度か亡き人を思って書いたと思われる封筒が入っていたため、檀家から「故人への手紙が出せるポストにしたらどうか」と勧められ、今年6月から「緑のポスト」と名付け、故人への手紙を受け付けた。投函された手紙は開封せずに本堂で保管され、秋の彼岸のこの日、初めて亡き人のもとに手紙が届くことを祈りながら、たき上げて供養した。
「緑のポスト」の運用後、舞鶴市内の他、京都市や宇治市、和歌山県など遠方からも多くの家族連れらが訪れ、この3カ月間で120通超が託された。一緒に添えられた大聖寺あてのメッセージには、祖父母への思いや両親への感謝の気持ち、家族同然のペットへの思いもつづられ、供養してもらえることを願っていたという。
一方、境内の寺務所には筆記用具や便箋が用意されており、その場で手紙を書くこともできる。松尾住職は「2時間かけて手紙を書いていた若い女性もいた。こんなに長い手紙を書いたことがなく、すっきりしたと話してくれた。手書きで書くことは大変なことですが、ゆっくりと大切な人を思いながら書き上げてもらえれば、新たな気持ちにもつながる。亡くなった方にも伝わり、きっと喜んでくれることでしょう」と話す。
この日は、本堂で祈願供養が執り行われたあと、参拝者が見守る中、「緑のポスト」前に設置された護摩壇が点火された。煙が上がると般若心経が唱えられ、120通超の手紙が次々と火にくべられ、祈りがささげられた。