水道のいらないシャワー AIで水を循環再利用 藤枝市が実証実験

静岡県藤枝市は、災害用シャワー「WOTA BOX(ウオータボックス)」の実証実験を始めた。災害時、水道インフラの復旧に時間がかかり、避難所などで入浴できないことが健康、衛生面で問題となっているが、ウオータボックスはAI(人工知能)技術で、シャワーの水を循環させて再利用する。市は「入浴できないストレスを軽減したい」としている。
ウオータボックスは上下水道の配管設備を必要としない簡易シャワーで、東京大大学院の学生らが2014年に設立したスタートアップ企業「WOTA」(東京)が開発した。4種類のフィルター内を流れる水の純度をAIがモニタリングし、汚れの成分や量によって最も効率的なろ過方法を自動選択する。
同社によると、一般的に1人10分のシャワーで50リットルの水が必要とされるが、ウオータボックスは100リットルの水で最大100人のシャワー利用が可能。シャンプーやせっけんが含まれた水も塩素や紫外線、活性炭などを用いたフィルターで繰り返し循環処理されるため、水道水以上の水質になるという。
昨年の西日本豪雨など、既に避難所で試作機による入浴支援を行っており、これまでに延べ約300人が利用したという。担当者は「被災地での入浴支援は、数十トンの水を運ぶ必要があり、自衛隊などにしかできなかった。このシステムは雨水や川の水も使えるので、誰でも簡単に設置ができる」と説明する。
ウオータボックスは脱衣テントや水のタンクなどがパッケージ販売されており、1式約500万円。市は今月に開かれたスポーツイベントと避難生活体験訓練で実際に使用し、導入する方向で検討を進めている。市の担当者は「簡単に使えるので、平常時から使うことを想定している。スポーツ大会などにも導入する方向で検討したい」としている。【高場悠】