京王線特急の車内で、米人気コミック「バットマン」の悪役「ジョーカー」の仮装をして乗客を無差別に襲撃、殺人未遂容疑で逮捕された住所不定、職業不詳の服部恭太容疑者(24)が、「東京なら人をたくさん殺せると思った」と供述していることが分かった。9月末ごろに上京しており、人出が多いハロウィーン当日に無差別大量殺人を引き起こす狙いだったとみられる。
◇
警視庁調布署捜査本部は2日、服部容疑者を送検、犯行の経緯などの捜査を進める。
服部容疑者は福岡市内の小中学校に通い、福岡県内の高校では空手部の主将を務めた。市内の団地で母親と妹と暮らしていたが、団地は数年前に取り壊されたという。
容疑者を知る女性は「目立たない子だった。あいさつを欠かさず、人の荷物を持ってあげる優しい一面もあった」と語り、事件との落差に驚きを隠さない。
3年間勤めた会社を6月ごろにトラブルで辞め、借金を重ねながら神戸市や名古屋市のホテルを転々としたと説明。「仕事で失敗し、友人関係もうまくいかなかった。6月ぐらいから人を殺して死刑になりたかった」と話している。事件直前は東京都八王子市内のビジネスホテルに滞在していたとみられ、仕事はしていなかった。
「事件のために買った」というジョーカーのような服装で10月31日午後5時ごろ、京王八王子駅から渋谷駅に移動。ハロウィーンでにぎわう渋谷周辺を、約30分散策した後、調布駅へ向かった。同駅から京王八王子発新宿行き特急(10両編成)に乗車した直後に事件を起こしたとみられる。
午後8時ごろ、服部容疑者は先頭から8両目に乗車、男性会社員(72)に殺虫剤のようなスプレーを噴射して刃物で刺したとされる。傷は肺に達し男性は意識不明の重体。
服部容疑者はさらに6両目に行ってライターオイルとみられる液体をまいて放火、9両目に移動し警察官に確保された。男女16人も煙を吸うなどしてけがをした。
「電車に人が多くいると思い、ハロウィーンの日を狙った。計画通りできず殺せなくて悔しい」と身勝手な供述をしている。
捜査本部の検証では、車内で刃渡り約30センチの刃物や、オイルを入れたとみられるペットボトルやスプレー缶がそれぞれ数本見つかった。刃物はネット通販で購入したとみられる。