菅内閣との「違い」出すために…岸田首相、意識するのは「スピード感」と「丁寧さ」

岸田首相が4日、就任から1か月を迎えた。積極的な情報発信や国民との「車座対話」を通じ、菅内閣との違いを打ちだそうと腐心している。今後は、新型コロナウイルス対策や経済政策の取りまとめにも全力を挙げる考えだ。
「自民党総裁選、組閣、(衆院)解散・総選挙と、スピード感を持って進めてきた。これからは政策の実行だ」
首相は4日、首相官邸で記者団に今後の意気込みを語った。
衆院選の結果を踏まえ、「国民の信託をいただいた今、そのスピード感を政策の実行に向けていきたい」と強調した。新型コロナ対策や経済政策、外交・安全保障などの課題を挙げ、「丁寧に取り組みを進めたい」とも付け加えた。
「スピード感」とともに首相が意識しているのが「丁寧さ」だ。安倍元首相や菅前首相は、官邸主導で政策を推進したが、説明不足との批判もつきまとった。
就任後の首相は、記者団の質問に答える「ぶら下がり取材」にも積極的に応じてきた。安倍・菅内閣では、記者側からの要請で行うことが通例だった。しかし、首相は、首都圏で震度5強を観測した地震や、外国首脳との電話会談の後など、首相側からの提案で取材機会を設けた。
所信表明演説で全閣僚に開催を指示した「車座対話」は、衆院選中を含めて自らも計10回開いた。看板政策である「新しい資本主義」の実現に向けて、有識者による「実現会議」と並行して車座で関係者から意見を聞く機会を設ける方針だ。
危機管理対応では、就任3日後の深夜に発生した地震に加え、衆院選中には、北朝鮮によるミサイル発射や阿蘇山の噴火に見舞われた。首相は地震やミサイル発射では官邸に駆けつけたが、ミサイル発射時に首相も松野官房長官も東京を離れていたことは批判を招いた。
緊急時の対応を誤れば政権の命取りになりかねず、首相周辺は「今後も細心の注意を払う」としている。