「累犯障害者」支援に尽力 田島良昭さんをしのぶ会 検事総長ら参列

「累犯障害者」の支援など障害者福祉に先駆的に取り組み、8月に76歳で亡くなった社会福祉法人「南高愛隣(なんこうあいりん)会」(長崎県諫早市)の元理事長、田島良昭(たしまよしあき)さんをしのぶ会が7日、自宅のある長崎県島原市で開かれた。施設の利用者のほか、親交のあった林真琴検事総長や村木厚子元厚生労働事務次官ら約1000人が献花し、長年にわたって司法と福祉の連携に尽力した田島さんを悼んだ。
田島さんは1977年に南高愛隣会を設立。全国に先駆けて、2006年から福祉の支援を受けられずに犯罪を繰り返す「累犯障害者」の実態調査に取り組んだ。09年には刑務所の出所者らを更生保護施設や福祉サービスにつなぐ「地域生活定着支援センター」を全国で初めて長崎県内に開設。11年からは最高検参与も務め、刑事政策の観点から福祉改革に関わった。
参列した林検事総長は最高検からの田島さん宛ての感謝状を贈呈。「10年を超える長きにわたり、その深い経験と見識に基づき、心のこもった指導助言を行い、検察の国民からの信頼回復に多大な貢献をされました」と感謝の言葉を述べた。
郵便不正事件で無罪が確定した元厚労事務次官の村木さんも参列した。村木さんは違法捜査の責任を認めた国側から得た賠償金を「南高愛隣会」に寄付。12年には田島さんと「共生社会を創る愛の基金」を創設し、罪に問われた障害者の社会復帰を支援してきた。
村木さんは「田島さんはいつも障害がある人、弱い人のために、制度がないところで支援をつくってこられました。支援をつくるだけでなくて、一緒に仕事した人を同志、仲間と呼んできました。私は同志になりたかったけれど、まだ弟子のままです。遺志を受け継いで努力をしたいと思います。これからも見守ってください」と声を詰まらせながら遺影に語り掛けた。
会場に寄せられた弔電には、ホームレスなど困窮者の支援に取り組む北九州市のNPO法人「抱樸(ほうぼく)」の奥田知志理事長からのメッセージもあった。奥田さんと田島さんとの出会いは、06年に下関駅放火事件を起こした軽度の知的障害がある男性の更生支援がきっかけ。奥田さんはメッセージで「人を助けたい、困ってる人のために何かをしたいという思いは悪くはないが、田島さんの根底には申し訳ないという罪の意識を感じた。福祉は施しではなく、社会の責任であると考えてきた。本当の篤志家とはこのような方なんだと思った」としのんだ。【飯田憲】