「コロナ禍で飲酒運転が悪質化」と県警分析…摘発件数減でも飲酒量増加

新型コロナウイルスの感染拡大で飲酒運転の件数は減ったが、ドライバーの飲酒量は増えていた――。兵庫県警がコロナ前の2019年とコロナ禍の21年の各1~6月の摘発状況を調査した結果、こんな傾向が明らかになった。21年は感染拡大防止のため、県内の飲食店に営業時間や酒類提供の制限が出されるなどしていたが、自宅など店舗以外で「深酒」をして運転したとみられる。県警は「コロナ禍で飲酒運転が悪質化した」とし、制限が全面解除されて以降、さらに増加する恐れもあるとみて警戒を強めている。(内本和希)
県内で21年1~6月に摘発された飲酒運転は319件。19年の同時期の552件から大きく減り、電子記録が残る1989年以降で最少を記録した。飲酒場所は「飲食店」が2019年の56・3%から21年は47・6%に減ったが、「自宅」はコロナ前後とも約24%で横ばい。「駐車場」が1・3%から4%に増えていた。
3時間ごとの摘発件数を見ると、19年は午前0~3時に162件(29・34%)と最多だったが、21年は午後9時~午前0時が77件(24・13%)で最も多かった。他の時間帯でも、コロナ前よりも早い時間に摘発件数の割合が増えていた。

摘発されたドライバーの飲酒量は、コロナ前よりも増えている。道路交通法で定める飲酒運転の基準値は呼気1リットル中のアルコール分が「0・15ミリ・グラム以上」だが、21年は「0・25ミリ・グラム以上」の割合が74%と19年より3・5ポイント上昇。大量飲酒が疑われる「0・6ミリ・グラム以上」の割合も21年は15・7%で、19年より3・4ポイント増加した。
違反の理由では、「飲酒運転くらい構わない」と答えたドライバーが19年の28%から、21年は34%に増加。過去に飲酒運転の摘発歴があるドライバーは19年が6・7%だったが、21年は10・3%に増え、飲酒運転による死亡事故も、19年の3件(死者3人)から今年は6件(同6人)になり、過去5年で最多を記録した。

県は感染状況が落ち着いてきたことから、10月22日に飲食店への営業時間短縮や酒類提供制限の要請を全面解除したが、県警は「解放感で、一気に飲酒運転が増加する恐れがある」と危惧する。今年8月20日~9月30日の緊急事態宣言中の毎週金~日曜の平均摘発件数は2・16件だったが、宣言解除後の10月1~3日(金~日曜)には12件に急増したためだ。10月3日には、加古川市で飲酒運転の男の車が5台を巻き込み9人が重軽傷を負う事故も起き、男の呼気からは1リットルあたり0・65ミリ・グラムのアルコール分が検出された。
県警は「調査結果を活用し、感染状況に応じた取り締まりで飲酒運転の撲滅を目指す」としている。