比例で「民主党」、山形で共産上回る4万2千票集まる…有権者「まぎらわしい」

10月31日に投開票された衆院選の比例選で、「民主党」と書かれた投票が、山形県内では4万2807票あったことが、県選挙管理委員会への取材でわかった。立憲民主党、国民民主党がそろって略称を「民主党」としたためで、有権者が思い描いた投票先とは関係なく、「案分票」として、両党に自動的に振り分けられた。

党名で投票する比例選では、投票所の記載台に掲示された略称でも投票できる。公職選挙法では、複数の政党が同じ略称を使うことを認めており、同じ略称が記された票は、各党の得票数に比例して配分される。
今回、市町村別の開票所では、立民と国民の得票数の比率に応じて、民主党の票数を小数点第4位以下切り捨てで分け、両党に加算した。34市町村で0・001票ずつ、県全体で0・034票が切り捨てられた。
その結果、民主党と書かれた4万2807票は、立民に3万2205・06票、国民に1万601・906票に分けられた。割合は立民約75%、国民約25%。
振り分けられた「民主党」票は、公明党の約7万票に次ぎ、共産党の約3万4000票を上回る。
県選管の担当者は「有権者の苦情の中で、『立憲民主党と国民民主党が同じ略称でまぎらわしい』というものが最も多かった」と明かした。

どうして同じ略称になったのか。
2019年の参院選では、立民の略称は「りっけん」、国民の略称は「民主党」と分かれていた。
しかし、昨年9月、立民は、合流新党として結党大会を開き、党の規約で略称を「民主党」と定めた。
一方で、合流新党に加わらずに改めて結党した国民は、略称をそのままにした。国民の党本部は「旧民主の後継として『民主党』の略称を使用していた。それをそのまま引き継いでいる」とする。

立民県連の石黒覚代表は「どうして略称を国民と同じ『民主党』としたのかわからない。略称を分けていれば、比例選でもう1~2議席とれていたかもしれないと思うと極めて残念」と話した。
立民の党本部の担当者は「略称の変更には規約を改める必要がある。今回は、段取りが間に合わず、変更できなかった」と話した。
国民県連の青柳安展会長は「衆院選を総括する際に案分票について意見を集約し、党本部に伝えたい」と述べた。
政党の正式名称については、公職選挙法で、既存の政党と類似した名称の使用は規制されている。県選管の担当者は「略称も規制の対象にしてほしい」と話していた。