インターネット上で4年以上にわたって差別的な書き込みをされ、名誉を傷つけられたとして、川崎市在住の在日コリアン3世、
崔江以子
(チェカンイジャ) さん(48)が18日、書き込んだ北関東在住の40歳代の男性を相手取り、慰謝料など305万円の損害賠償を求めて横浜地裁川崎支部に提訴した。
訴状などによると、男性は2016年6月、崔さんを名指しし、自身のブログに「日本国に
仇
(あだ) なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」などと掲載。この書き込みが崔さんの被害申し立てで削除された後も、20年10月まで12回にわたり、ブログやツイッターで「差別の当たり屋」「被害者ビジネス」などと、崔さんを
誹謗
(ひぼう) 中傷する書き込みを繰り返したとしている。
崔さんは、民族差別を助長するヘイトスピーチ(憎悪表現)が社会問題化していた16年3月、国会に参考人招致されて被害を訴えた。書き込みはその後から始まり、崔さん側は発信者情報の開示を求めた訴訟で男性を特定した。
記者会見を開いた崔さんは「書き込みが違法と示されれば、(差別解消の)法律や条例の運用に大きな力となる」と述べた。また、男性とは別の複数のアカウントからも差別的な書き込みがあるとして、今後も投稿者を特定して提訴する考えを示した。