韓国人へのヘイトスピーチ(憎悪表現)を含む文書を職場で配られ、精神的苦痛を受けたとして、東証1部上場の住宅メーカー「フジ住宅」(大阪府岸和田市)に勤務する在日韓国人女性が、同社と同社会長に慰謝料など3300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。清水響裁判長は、1審判決から賠償額を増額し、同社側に132万円の支払いと、韓国人を侮辱する文言を含む文書の配布差し止めを命じた。
判決などによると、女性は2002年からパート社員として同社に勤務。同社では13年以降、「正しい歴史認識を持ってもらうため」として、「韓国人はうそをつく国民性」などとした文書が全社員に繰り返し配布された。
昨年7月の1審・大阪地裁堺支部判決は「社会的に許容できる限界を超えている」として、文書配布を違法と判断し、同社に110万円の支払いを命じた。同社側は「言論の自由の観点から承服しがたい」として控訴していた。