遺体搬送贈収賄事件 起訴の警部補2人を懲戒免職 神奈川県警

神奈川県警が扱った遺体の搬送を巡る贈収賄事件で、県警は17日、受託収賄罪で起訴された大和署警部補、加藤聖被告(48)=相模原市=と、贈賄罪で起訴された宮前署警部補、河合博貴被告(65)=大和市=を懲戒免職とした。また、当時の2人の上司ら計10人も監督責任を問い本部長注意などとした。
起訴状などによると、加藤被告は2019年3月~20年1月ごろ、河合被告と妻恵子被告(60)=贈賄罪で起訴=から、恵子被告が実質的に経営していた葬儀会社を優先して遺族に勧めるよう依頼され、見返りに現金127万円と68万円相当の商品券を受け取ったとしている。県警監察官室によると、加藤被告は別の葬儀会社1社からも商品券を受け取っていたと供述しているが、県警は立件は困難と判断した。
各都道府県警は通常、遺体搬送用の車両を所有しているが、県警では配備が進んでおらず、遺族が葬儀会社に依頼するのが慣例になっていた。山本仁本部長は定例記者会見で「県民におわびする。職員の指導教養を徹底し、装備資機材の配備や新規調達を計画的に行う」と陳謝した。
また、県警は9月3日に小田原市のJR国府津駅で女性のスカート内を盗撮したとして県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕され、同月13日に罰金40万円の略式命令を受けた戸塚署巡査長(40)を停職1カ月の処分とした。巡査長は11月17日付で依願退職した。【洪香】