スターバックスコーヒージャパン(東京)が発行するドリンククーポンの偽造券1431枚を密輸入したなどとして、偽造有価証券輸入や詐欺などの罪に問われた福岡市の無職、ジアン・ウェイ(40)と夫のハオ・ジュンドン(40)両被告=いずれも中国籍=に対し、福岡地裁小倉支部は19日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。内山香奈裁判官は「常習的かつ計画的に行われた悪質な犯行」と指摘した。
判決などによると、両被告は3月に「コミューターマグクーポン」と呼ばれるドリンククーポンの偽造券1431枚を中国から自宅に国際宅配貨物で発送して密輸入したほか、5月にはインターネット上のフリーマーケットサイトで偽造クーポン計23枚を含む計25枚を販売した。
公判でジアン被告の弁護側は「両被告は中国へ帰国する予定で再犯の可能性がない」。ハオ被告の弁護側は「慣れない日本に来日して、当初約束されていた給料がもらえない状態で、転職後も生活費に困窮していた。動機に同情の余地がある」などと執行猶予付き判決を求めていた。内山裁判官は「(だまされて偽造券を購入した)3人の被害者に対してはいずれも被害弁償がなされ、両被告が事実を全て認めて反省の言葉を述べている」などとして執行猶予を付けた。
スターバックスコーヒージャパンの公式サイトによると、コミューターマグクーポンはタンブラーやボトルなどの対象商品を購入した際にもらえ、好きなドリンク1杯と交換できる。これまでに偽造が確認されているのは、2020年1月16日以前に発行されたもので、上限金額や有効期限はないという。同社は「店舗およびオンラインストア以外で入手されたドリンククーポンについては、一切保証いたしかねる」と注意を呼びかけている。【成松秋穂】