認知症医療の第一人者として知られ、2017年10月に自らが認知症になったことを公表した精神科医の長谷川和夫(はせがわ・かずお)さんが13日、老衰のため死去した。92歳だった。告別式は近親者らで行われた。
愛知県出身。1973年に聖マリアンナ医大教授となった。74年に、認知症の診断に使われる認知機能検査「長谷川式簡易知能評価スケール」を公表。91年の改訂版は、今も広く診療現場で使われている。2000年に高齢者
痴呆
(ちほう) 介護研究・研修東京センター(当時)のセンター長となり、「パーソン・センタード・ケア」(その人中心のケア)の理念を普及させた。04年には、厚生労働省の検討会の委員として、「痴呆」という用語を「認知症」に変えるのに貢献した。
認知症(
嗜銀顆粒
(しぎんかりゅう) 性認知症)と公表した後、「長生き時代には誰もが向き合う可能性がある。なったと言える社会であることが大事」と、判断能力が衰えても安心して生きられる社会づくりの必要性を訴え続けた。