愛知県弥富市の市立十四山中学校で中学3年の伊藤柚輝さん(14)が同級生に刺殺された事件を受け、同市教育委員会や同校関係者は緊急記者会見を開いた。
「なぜそんなことをやったのか私たちもよくわからなくて非常に混乱している」。全校生徒138人の中学校で発生した凶行に、同校の黒川利之校長は慎重に言葉を選びながら事件の状況を説明した。
同校は午前7時45分に開門し、同8時10分から読書タイムに入るため、事件が発生した同8時過ぎはほとんどの生徒が教室に入った状態で各クラスには担任教員がいた。
被害生徒は刺された後、腹から血を流した状態で、自分のクラスに戻り、その場で倒れたという。担任は生徒の心臓マッサージをするとともに、職員室へ通報。2階には大きな叫び声や悲鳴などが響き、「教室内に結構な出血があった」(黒川校長)という。
2人の間で何があったのか。黒川校長はトラブルについて「いまのところ思い当たるところがない」とし、逮捕された生徒について「特におかしなところは全くなくて、なぜそんなことをやったのか私たちもよくわからない」と説明。11月中旬にあった修学旅行には2人とも参加し、これまでにも特にトラブルは確認されていないという。市教委が11月上旬に回収したいじめの有無を問うアンケートにも2人に関する記載はなく、市教委の渡辺一弘課長も「これまで何かトラブルがあったかは分かっていない」と述べるのみだった。
事件を受け、同校は24日の授業を午前中で切り上げ、25日から実施予定だった期末テストを延期。通常授業を予定しているが、事件で気分が悪くなった生徒も4人いたという。
同校は午後7時から保護者対象の説明会を開き、事件の経緯などを説明。出席した保護者の一人は「事件の説明があっただけです。子どもがショックを受けていてまだまともに話もできていない」と声を詰まらせた。
市教委は事件後、臨床心理士などを学校に派遣して心のケアを行うとともに、今後、弁護士や医師らによる第三者委員会を発足させ、原因を究明する方針。【道永竜命、森田采花】