岸田首相は24日、ベトナムのファム・ミン・チン首相と首相官邸で会談し、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に南シナ海の現状を変更する一方的な試みに対し、深刻な懸念を共有した。岸田首相が海外の首脳を迎えるのは初めてだ。
両首相は南シナ海での航行や上空飛行の自由、国際法に従った紛争解決の重要性を確認した。日本からの艦艇など装備品の輸出に向けて協議を加速化させることや、サイバーセキュリティーなどの分野で防衛協力を進めることでも一致した。
岸田首相は新型コロナウイルスワクチン154万回分を無償供与することを伝えた。25日にベトナムに届く予定だ。これにより、日本が提供したワクチンは計約560万回分となる。両首相はベトナムからの技能実習生の日本での生活改善に向けて協力することも申し合わせた。
両政府は会談に合わせ、ベトナムの下水道整備などのため約108億円を限度とする円借款を供与する書簡を交換した。
岸田首相は会談後の共同記者発表で、「ベトナムは『自由で開かれたインド太平洋』を実現していく上で大切なパートナーだ」と強調し、チン氏は「両国関係を新たな地平へ高めていきたい」と応じた。