茨城家族殺傷 「帽子とマスク着用」子どもが証言 計画的犯行か

茨城県境町の民家で23日未明、住人で会社員の小林光則さん(48)とパート従業員の妻美和さん(50)が刃物で首など複数箇所を刺されたり切られたりして殺され、就寝中の子ども2人も重軽傷を負わされた事件で、襲撃した人物について子どもが「帽子とマスクを着用していた」と証言していることが捜査関係者への取材で判明した。一家に顔を見られないよう隠した上で侵入した計画的犯行の可能性がある。物色の跡は確認されていない。
県警は24日、司法解剖の結果、光則さんの死因は胸を刺されたことによる失血、美和さんは首の刺し傷による失血だったと発表した。
捜査関係者によると、両足や腕を切られて重傷の長男(13)=中学1年=と軽傷の次女(11)=小学6年=は事件当時、2階の子ども部屋にある2段ベッドでそれぞれ寝ていた。長男は「自分を襲ったのは1人だと思う」と証言し、「顔は暗くて見えなかった」「怖かった」と話したという。県警は他に関与した人物がいないか慎重に調べている。
一方、次女はスプレーのようなものを噴射され、両手の痛みを訴えているという。1階の自室にいた長女(21)=大学3年=は襲撃されず無事だった。長女は「サイレンの音で起きるまで事件に気づかなかった」と話している。
小林さん宅は当時、1、2階とも複数のドアや窓に鍵がかかっていなかったことがわかっている。窓ガラスが割られたり、ドアが壊されたりしていないことから、犯人は無施錠の場所から侵入したとみられている。

この家は樹木が茂る林の中央部にあり、林の周囲には田畑が広がっている上、近隣の住宅まで数百メートルの距離がある。捜査関係者によると、自宅から20メートルほど離れた林の中にスリッパが落ちていたり、住宅敷地内の屋外に家族以外の足跡が見つかったりしているという。県警は、犯人が逃げる途中までスリッパを履いていた可能性も視野に事件との関連を調べている。
事件は23日未明に発生。美和さんが同日午前0時40分ごろ、「助けて」と110番した。警察官が駆けつけると、2階寝室で光則さんと美和さん夫婦が布団の上で死亡しており、首や顔などに鋭利な刃物による複数の傷があった。就寝中にいきなり襲われたとみられ、遺体のそばには美和さんが通報に使った固定電話の子機が落ちていた。【韮澤琴音、小林杏花】