中電工(本社・広島市)の隠岐営業所勤務だった男性社員(当時44歳)が2020年に自殺したのは上司のパワーハラスメントが原因だとして、遺族が同社と上司に約6000万円の損害賠償を求める訴訟を地裁西郷支部に起こした。提訴は15日付。
訴状などによると、男性は上司から日常的に「お前はダメなやつだ」「辞めてしまえ」などと言われた。昨年9月にあった社内の慰労会では約2時間にわたり正座の上、容姿や私生活を侮辱され、男性はその3日後に自殺した。
同社は調査委員会を設置して調べたが「死亡に業務起因性がない」として、遺族の求める上司の処分や労災としての扱いを認めなかったため、提訴したという。
遺族は同社などに対し「
真摯
(しんし) に受け止め、誠意ある対応を行うとともに、このような出来事が起きないよう、体制を強化してほしい」とコメントしている。
中電工は取材に対し「訴状の内容については、裁判で明らかにしていきたい」と話した。