今年2月に加害生徒、被害生徒から「いじめ受けた」と回答…学校は3月に解決と判断

愛知県弥富市の中学校で起きた刺殺事件で、市教育委員会は29日の記者会見で、殺人容疑で送検された3年の男子生徒(14)が今年2月の校内アンケートに対し、同学年の被害生徒(14)からいじめを受けたと回答していたと発表した。市教委は事件が起きた24日の記者会見で、2人の間にトラブルは確認されていないと説明していた。
いじめが疑われる事例について、学校は市教委に報告する必要があるが、加害生徒の態度などから報告しなかったという。同席した校長は「認識が誤っていた」と謝罪した。
市教委によると、加害生徒はいじめの有無を尋ねる質問に「ある」と答えていた。学校はその後、加害生徒に複数回声を掛け、3月には「大丈夫」と話すようになったため、問題は解決したと判断した。2人は2年生の時は同じクラスだったが、学校は3年に進級する際は別々のクラスにした。
一方、加害生徒が「事件の10日ほど前に殺害を考えた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
加害生徒は14~16日の修学旅行に禁止されていたスマートフォンを持って行き、被害生徒とは別の生徒から報告を受けた教師に注意されていた。「(告げ口に感じて)仲間外れにされたように思った」との趣旨の話をしており、県警が事件との関連を調べている。