献体3人の遺骨、4年8か月以上遺族に返還せず…職員が引き継ぎミスで放置

兵庫医科大(兵庫県西宮市)が、解剖学の授業の実習に役立てるために献体を受けた3人の遺体について、遺骨を4年8か月以上にわたり遺族に返還せず、放置していたことがわかった。職員間の引き継ぎミスなどが原因だったといい、同大学は遺族に謝罪した。
同大学によると、3人の遺体はいずれも2014年2月に献体を受けた。15年1月の実習で解剖し、火葬された後、施設内の遺骨安置室で保管していた。
同大学では遺族らの希望があれば遺骨は、献体から1年半~3年程度で返還しており、遺族側にも事前に説明している。
しかし、今年10月5日に返還を希望していた遺族の1人から「連絡がない」と問い合わせがあり、未返還が判明。17年2月までに返還すべきだったが、同時期に献体を受けた別の2遺体の遺骨も返されていないことがわかった。
問題判明後、遺骨は遺族の希望に沿って返還するなどされた。担当職員の退職などで遺骨の保管状況や返還希望について適切な引き継ぎがされていなかったという。野口光一学長は「深く反省し、再発防止策に取り組む」とのコメントを出した。