茨城県八千代町の住宅で2019年8月、高齢の夫婦が殺傷された事件で、殺人罪などに問われたベトナム人の農業実習生グエン・ディン・ハイ被告(23)の裁判員裁判の第11回公判が30日、水戸地裁(中島経太裁判長)であった。検察側は論告で、「残虐で極めて悪質な犯行だ」として懲役30年を求刑した。
起訴状などでは、ハイ被告は19年8月24日、同町平塚の大里功さん(当時76歳)方に侵入。柳刃包丁で大里さんの胸などを多数回突き刺して殺害したほか、大里さんの妻裕子さん(76)の首などを複数回突き刺し、重傷を負わせたとされる。
ハイ被告はこれまでの公判で、大里さん宅への侵入を認める一方、「僕は誰も殺していませんし、誰もけがをさせていません」と述べ、殺傷行為を否認。別の実習生が関与したと主張している。