秋篠宮さま会見、週刊誌には「作り話が掲載されていることも」…記事に反論「基準が必要」

「作り話が掲載されていることもある」――。56歳の誕生日に際しての記者会見で、秋篠宮さまは、長女眞子さんが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)となった原因として、事実と異なる週刊誌報道やネットの書き込みを挙げられた。虚実が混在する記事が数多くあるため、反論する際の基準作りが必要とも言及された。
眞子さんの結婚を巡る週刊誌報道では、天皇、皇后両陛下の考えや上皇后さまの発言とされる内容がまことしやかに報じられたが、「実際にそういうことを聞いたことは一度もない」と否定された。
一方で、週刊誌には「傾聴すべき意見」も載っており、「全て否定する気にはなれません」とも述べられた。大量の記事の真偽を一つ一つ説明するのは「大変な労力を費やす」とし、「一定の基準を設けて、それを超えたときには反論するという基準作りが必要」と話された。
ネットの書き込みについては「確かに相当ひどいことを書いているのもある」と指摘。ネットによる

誹謗
(ひぼう) 中傷で命を落とした人もおり、「誹謗中傷は雑誌であれネットであれ、許容できるものではありません」と強調された。
眞子さんが結婚で「公」よりも「私」を優先したとの論調については、結婚で皇室を離れる女性皇族は、皇室会議で結婚相手が審議される男性皇族とは「性格が違ってくる」とし、「公と私という二つの概念に当てはまるのか」と疑問を呈された。
眞子さんが米ニューヨークで新生活を始めたことには「本人たちが決めたわけですから、それが一番良いこと」と語られた。
会見では、新型コロナウイルス禍での皇室の活動についても言及された。オンラインによる国民との交流が続くが、「実際に行って見たり、聞いたりするのとはかなり違いがある」とし、できるだけ現地で人々と交流したいとの思いを示された。公的活動の担い手が少なくなっている皇室の現状については、「今いる人数で行っていくしかできないと思います」と話された。

「国民の理解」重視 示す

今回の記者会見で秋篠宮さまは、眞子さんの結婚で儀式を行わなかった理由として、小室圭さんの金銭トラブルに対する国民への説明が不足していたことを明らかにされた。皇室への「国民の理解」を重視する姿勢を改めて示されたといえる。
秋篠宮さまはこれまで一貫して金銭トラブルについて国民に丁寧に説明し、理解を得るよう求められてきた。しかし、今年4月に公表された小室さんの28ページにわたる説明文書は「あれを読んでどれぐらいの人が理解できるか」と疑問を呈し、理解を得られなかったと判断された。
週刊誌には「傾聴すべき意見も載っている」と述べ、国民の表現の自由を尊重しつつも、事実に基づかない週刊誌報道やネットの書き込みには、対処が必要との考えを示された。皇室ではバッシングによって体調を崩される皇族方が相次いでいる。宮内庁は、誤った情報を正していくための方策を真剣に検討する時期にきている。(小野沢記秀)