千葉・八街児童5人死傷事故「酒に逃げた」公判詳報

千葉県八街市で6月、下校中の小学生5人が飲酒運転のトラックにはねられ死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪に問われた元運転手梅沢洋被告(61)の第3回公判が千葉地裁(金子大作裁判長)で開かれた。法廷での被告の主な証言は次の通り。
■検察官の質問
――事件時以外に仕事中に飲酒運転したのいつ頃
「昨年2~4月ごろから」
――なぜ飲酒運転を
「友達と揉めて夜通し飲んでそのまま仕事に行ったのがきっかけ」
――昼にも酒を飲んで運転するようになった
「はい」
――どうしてか
「相手先にイライラが起こったのを収めるためだったと思います」
――イラつきはどんなことでおこるのか
「段取り不足とか時間のずれとか」
――(仕事上)それらはよくあることだと思うが
「体よく言えば酒に逃げたというか」
――まずいことだとは思わなかったか
「それはありました」
――ではなぜ
「何でと言われるとあれですけど、安易な考えとい言っていいんでしょうか、その方が楽になったので酒に逃げちゃった」
――酒を飲んで運転することへの認識は
「悪いとはわかっていましたけど、自分は大丈夫という気持ちがあった」
――大丈夫とは
「事故をしないとか捕まらないと思ってました」
--(事故の)直前はいつ飲酒運転をした(事故は6月28日月曜日)
「(前週の)木曜か金曜だと思います」
--(大丈夫という)自信はどこから来ている
「根拠のないものです」
--被害者や家族の気持ちを想像したことはあるか
「(被害者の)お母さんの手記を読んだ」
--どう思った
「(自分が)子供を育てたときとダブっていたたまれない気持ちになった」
--反省しているか
「取り返しのつかないことをしてしまって申し訳ない」
■被害者側弁護士の質問
--(これまでの言葉で)謝罪の気持ちが伝わると思っているか
「わかりませんけど、この言葉しかできない」
--いずれ社会に戻るとどこで生活するのか。被害者はあなたと同じ地域に住んでいる
「誰のお母さんか忘れましたけど、いなくなれってたくさん書いてあったので(地元には)いられない」