知事「一歩間違えれば大惨事」…緊急着陸の米軍機、燃料タンクが民家周辺に落下

米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が青森空港(青森市)に緊急着陸した問題で、着陸前に戦闘機から投棄された燃料タンク2個のうち、1個が青森県深浦町の民家周辺に落下していたことがわかった。県によると、けが人や建物被害は確認されていない。米軍は11月30日、「(同県内の)岩木山付近の非居住地域に投棄した」と発表していた。
同県の三村申吾知事は1日の県議会で「一歩間違えれば、大変な惨事になった」と述べ、米軍に対し、原因究明や再発防止を文書で要請する考えを示した。
落下したとみられる場所は、深浦町役場から徒歩2分ほどの中心部の国道101号沿い。周りには民家や町歴史民俗資料館が立ち並ぶ。三つに分かれた長さ1~1・5メートルほどの細い筒状になった部品や鉄くずが散乱しており、防衛省東北防衛局の職員が現地で燃料タンクであることを確認した。
県警

鰺ヶ沢
(あじがさわ) 署などによると、30日午後6時25分頃、住民から「アルミのような破片が落ちている。ガソリンのような異臭もする」と通報があった。国道には油のようなものが流れ出ており、消防隊員らが回収した。
近所に住む60歳代女性は同日午後6時頃にジェット機が通過するような音を聞いたという。「近くに小学校や中学校もある。『万が一、人がいるところに落ちたら』と思うと怖い」と話した。
戦闘機が緊急着陸した青森空港は滑走路が閉鎖され、民間機の発着ができない状態が続いていたが、1日未明に戦闘機を駐機場に移動させ、通常運航が可能になった。