「山本幸三氏は接戦、勝たせたかった」後援会幹部ら供述…公選法違反事件

衆院選の福岡10区で落選した自民党の山本幸三・元地方創生相(73)の後援会幹部ら2人が公職選挙法違反(買収の約束)容疑で逮捕された事件で、2人が容疑を認め、「選挙が接戦になるとわかっていた。山本氏を勝たせたかった」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
福岡県警に逮捕されたのは、北九州市小倉北区の警備会社「保安警備」の代表取締役で、山本氏の後援会幹部の宮川淳士郎(58)、同社取締役で支援者の今坂

公侑
(まさゆき) (38)両容疑者。10月中旬頃、男子大学生2人に対し、投票依頼の電話をかける報酬として、時給1000円を支払う約束をした疑い。
山本氏は衆院選で9選を目指していたが、事実上の野党共闘で選挙戦を展開した立憲民主党の城井崇氏に約3500票差をつけられ、落選した。県警は事前に接戦が予想されていたことが、選挙違反の背景にあるとみている。両容疑者とも「違法性を認識していた」と容疑を認めているという。
県警は30日、選挙事務所として使われた北九州市小倉北区の山本氏の後援会事務所を捜索。投票依頼を持ちかける際のマニュアルや、名簿など400点以上を押収した。
山本氏は同日、「事実関係を確認中だが、監督不行き届きを痛感しており、全て私の不徳の致すところだ。捜査には全面的に協力していきたい」などとするコメントを出した。