福岡市の博多港でパナマ船籍の貨物船「LADY ROSEMARY(レディー ローズマリー)」(全長143メートル、9576総トン)が防波堤に乗り上げた事故で、福岡海上保安部は7日、船の撤去作業を行った。船首から流出した油の回収などに時間がかかり、事故発生から10日目でようやく船を動かした。
同海保によると、作業は午前11時に始まり、タグボート2隻が貨物船を後方からえい航して防波堤から引き離した。作業の間、周辺の航路は閉鎖され、正午過ぎには博多港の中央ふ頭に着岸した。
事故は先月28日午後11時45分頃、福岡市東区の博多港箱崎ふ頭から約2・5キロ沖合で発生。防波堤の先端部分には灯台があり、事故当時も正常に作動していた。同海保は貨物船着岸後、本格的に船内の調査を行うが、現時点では貨物船の機器類に異常はみられないという。人為的ミスの可能性があるとみて、業務上過失往来危険の疑いで日本人船長(70歳代)らから事情を聞いている。
事故の影響で貨物船の船首部分に亀裂が生じ、燃料油が流出。船を動かせばさらに漏れ出す恐れがあり、同海保は油の抜き取りを優先させた。油は約10キロ北西の志賀島の海岸にも油膜が漂着するなど、博多湾内に広がっている。福岡市漁協によると、貨物船が乗り上げた28日以降、ほとんどの組合員が漁に出られない状況が続いている。