山中伸弥氏が京大iPS研所長を退任へ 22年3月、後任は高橋淳氏

京都大は8日、山中伸弥教授(59)がiPS細胞研究所の所長を任期終了により2022年3月末で退任する、と発表した。今後も在籍して研究に注力する。山中氏はコメントで「この数年は、研究者として最後の期間は自身の研究に注力したい、という思いが日に日に強くなっていた」と明かした。次期所長には高橋淳(じゅん)教授(60)=脳神経外科学=が選出された。任期は22年4月1日から2年間。
2日に開かれた教授会で決まった。山中氏は同研究所の設立時から10年以上所長を務めてきた。コメントで「多くのプロジェクトが臨床試験の段階に到達しつつある中、自らも臨床試験を先導している高橋先生は新所長として最適の研究者。私は基礎研究者としてiPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くす」とした。
高橋氏は京大医学研究科博士課程を修了。京大病院などで臨床を経験し、12年から同研究所教授を務めている。18年にはヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を、パーキンソン病の患者の脳に移植する臨床試験を世界で初めて実施した。
高橋氏は「所長を引き継ぐことになり、身の引きしまる思い。研究所を設立し、軌道に乗せてこられた山中所長の長年の努力には、心から敬意を表する。未来の医療や生命科学に貢献できるよう研究・医療応用を推進する」とコメントした。【松本光樹】