自民、公明の与党が、日本維新の会との距離感に悩んでいる。ほかの野党と比べて国会運営などで協力できる面が多く、政策や国会改革での要求をむげにすることができないためだ。自公両党はそれぞれの事情を抱え、維新との対決は避けたいとの意向が強く働いている。
「永田町のへりくつで改革が先送りされようとしている。改革に背を向ける会派は、国民が汗水流して納めた税金に群がるシロアリ集団と言わざるを得ない」
維新の馬場伸幸共同代表は9日の衆院代表質問で、国会議員に支払われる文書通信交通滞在費(文通費)の見直しを巡り、そう強調した。
与野党は日割り支給を導入する改革では一致しているが、与党は維新が主張する領収書提出による使途公開には慎重だ。批判の矛先を向けられた岸田首相(自民党総裁)は、「国会議員が議論を通じて合意を得る努力を重ねていくべきだ」と答えるにとどめた。
一方で馬場氏は憲法改正について「自民党総裁として憲法論議を主導する強い決意を示してもらえないか」と迫った。首相は「私自身、真剣に向き合っていく強い覚悟を持っている」と応じた。馬場氏が維新独自の「日本大改革プラン」を掲げると表明したのに対し、首相は「御党の提案も含めてしっかり議論を行っていきたい」と配慮を見せた。
先の衆院選で維新は躍進し、矢継ぎ早に政府・与党への対案を打ち出している。政権との対決路線を打ち出した立憲民主党が議席を減らしたこともあり、是々非々で
対峙
(たいじ) する独自路線をますます強めている。
これまで与野党対決法案で維新が賛成に回ることもあり、自民党幹部からは「なんでも反対の野党よりも、やりにくい」との本音が漏れる。立民などと違い、維新は支持層が重なることから、対応を間違えると来夏の参院選で票を奪われかねないとの警戒もある。
特に自民は、来年以降の憲法改正に向けて本腰を入れるため、改憲に前向きな維新は引きつけておきたい考えだ。公明も先の衆院選で、大阪府と兵庫県の計6選挙区で維新が候補擁立を見送ったことで議席を確保できたという経緯がある。
自公関係では、改憲や安全保障政策を巡る溝も指摘されている。公明党内では、改憲を機に自民、維新が接近しすぎることを警戒する向きもある。自民党内からは「維新に配慮しすぎるのも得策ではない」(閣僚経験者)との声が出ている。
国民 与党幹事懇に初参加
衆院憲法審査会の与党幹事懇談会が9日開かれ、国民民主党の玉木代表が初めて参加した。与党幹事懇はこれまで自民、公明両党と日本維新の会の3党で開催していた。
玉木氏は幹事懇後の記者会見で「審査会を開くな、議論をするなという勢力とは一線を画していきたい」と述べた。自民の新藤義孝・与党筆頭幹事は記者団に「志を同じくする人が増えた」と歓迎した。
この日は臨時国会で初めて審査会が開かれ、与野党の幹事が選任された。審査会に先立って行われた与野党の協議で、与党が審査会を来週も開いて自由討議を行うよう求めたのに対し、野党は持ち帰って検討する考えを示した。