和歌山・串本からのロケット打ち上げ、22年末に延期 部品調達遅れ

和歌山県串本町で人工衛星用ロケットの打ち上げを目指している民間の宇宙事業会社「スペースワン」(東京都)は11日、初号機の発射時期を2021年度中から22年末に延期すると明らかにした。同町田原では民間として国内初となる人工衛星搭載ロケットの発射場「スペースポート紀伊」の建設が進んでいるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ロケットや発射場の部品を海外から調達するのが遅れたことなどが要因という。
同町でこの日開いた行政や経済関係者らでつくるスペースポート紀伊周辺地域協議会の臨時総会で、同社の阿部耕三取締役が説明した。ロケット本体や発射場の内部には海外で生産する部品も含まれているが、新型コロナの影響で海外ではロックダウンした都市もあり、部品の供給拠点工場での製造工程に遅れが生じたという。同時に、物流網も世界的に滞っており、国内に部品が届く時期も遅れた。
阿部取締役は「必要な部品がほしい時期に届かず、国内で予定していた各工程の試験などが想定通り進まなかった。楽しみにしていた方々におわび申し上げる。延期とはなるが、地元の方々と一緒に地域の発展に協力する気持ちは変わっていない」と話した。
一方、「スペースポート紀伊」の建物は、予定通りおおむね完成しているという。同社によると、22年末の初号機には国内で製造する人工衛星1機を搭載する予定という。2号機についても、発射時期は未定だが、「発射することや搭載する人工衛星はほぼ決まっている」としている。人工衛星を持ち込む取引企業はいずれも明らかにしていない。
協議会会長の下宏副知事は、「延期は残念ではあるが新型コロナの影響であれば致し方ない。引き続きスペースワンを支援し、発射を成功させたい」と語った。【山口智】