生活保護費引き下げ違憲訴訟、受給者側が敗訴 神戸地裁判決

生活保護費の引き下げは生存権を保障する憲法などに違反するとして、兵庫県内の受給者24人が減額取り消しを求めた訴訟の判決で、神戸地裁は16日、受給者側の訴えを退けた。小池明善裁判長は、基準額を引き下げた国の判断は「不合理とは言えない」と述べた。
全国29地裁に起こされた同種訴訟で7件目の判決。受給者側は大阪高裁に控訴する方針。引き下げを違法とした2月の大阪地裁判決を除き、いずれも受給者側が敗訴している。
国は2013~15年、生活保護費のうち食費や光熱費にあたる「生活扶助」の基準額を最大約10%引き下げた。国は08年以降の物価下落などを理由としたが、算定方法の妥当性が主な争点だった。
判決は、専門家らが07~13年、生活保護の基準額と一般低所得世帯の消費支出額に差があることを計2回、報告書にまとめていたと指摘。08年から3年続けて物価などが下落した点を考慮し、基準額を引き下げた国の手続きに「過誤や欠落は認められない」と結論付けた。
受給者側は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法25条などに違反するとして、神戸、尼崎、伊丹、明石の4市に減額決定の取り消しを求めていた。【巽賢司、村田愛】